幻戯山房にて・・・

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赤い鼻緒がぷつりと切れた
すげてくれる手ありゃしない
置いてけ堀をけとばして
駆けだす指に血がにじむ・・・・

といえば夜桜お七。 この後、≪桜~桜~♪≫と続き、まだまだ続く寒さに春の日差しと桜が待ち遠しい心をざわつかせる一曲ですね。

さて、時代劇などでよくお目にかかる、この≪切れた鼻緒をたまたますれ違った人が片袖破って、あるいは何か見繕ってちゃちゃっとすげてくれる≫シチュエーション、歌にもなってはいるものの、現代社会で実際体験できる確率は何%位でしょう?

これを実現させるためには①鼻緒の切れそうな下駄②突発的に切れた鼻緒を修復する技を持つ殿方と千載一遇の≪その瞬間≫に遭遇しなければならない、という2大ミッションがあります。 仮に①をクリアーしても②がなければ単に珍しい惨事でしかなく・・・そもそも、家を出る時点で切れそうな鼻緒の下駄など恐ろしくて履けるものではないし、ちゃんとしたものであればそう簡単に切れるものではありません。そんな体験、今時出来るわけが・・・

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・・・ありました。

1月に開催した自習茶会、荻窪にある幻戯山房でのこと。門からすぐに玄関もあるのですが亭主たっての「庭から来て」との指示に従い庭に向かうと趣のある庭園の階段はごつごつした大きめの石を組合せて作られており、草履ならば問題ないところ、下駄で登って行くにはかなりハードな道のり。      当に、行きはよいよい帰りは・・といった感で、楽しい自習茶会を終え、再びごつごつした石の階段をバランスを取りながら降りて行こうとしたところ・・ぷつっ

慌てで事務所に駆け込むと居合わせた職員の方が「昔履いてたから、(挿げ替え)やってあげるよ!見かけは悪いけど家までくらいな行けると思うよ」とビニール紐でちょちょいのちょい!と直してくださいました。 慣れた手つきで紐を綯い、すげてくださった鼻緒は揺らぐことなく、帰宅までしっかりと歩きやすいものでした。

なかなか気に入る鼻緒に出会えず、写真は自分で紫の正絹を被せたもの。これを機会に鼻緒のすげ方、習おうかな。。

AyAko