自習茶会at初夏の都内某所
夏はいかにも涼しきように冬はいかにも暖かくなるように 昨年の初夏、自習茶会をいたしました
家の奥に潜んでいた出自不明の白磁の棗
金属質の黒銀に輝く茶器は新進作家の作品
涼しさを感じられるよう茶巾絞りで遊んでみたり
ゆるゆると趣向の種を育てるひととき
いつの日か夏の盛りにヒンヤリと妖を呼び込むような
そんな茶会を催したいと妄想を膨らませて
さて、今は春
そういえば三年前の今頃でした
旧前田家本邸の和館で
“桜と詩”茶会を開催したのは・・
あのときの桜をご覧になられた方は本当に果報者
薄暗い和室に大きな桜の枝が伸び
白く怪しい光を放っておりました
それはそれは美しい光景でした
私は自作の詩を読ませて頂きました
桜が咲き始めると心が躍ります
やはり日本人の遺伝子のせいでしょうか
ねがわくは花のもとにて春死なむそのきさらぎの望月の頃
七十三歳で望み通りの最後を迎えた西行さんの
遊行僧っぷりを見習いたいものです
それではまた
良き春の日をお過ごしください
伊藤左知子
(2014年8月 アーカイブ)